およそ、2年間かけて撮影を行ってきた滋賀県の洞窟「河内の風穴」が、ようやくDVDとして完成しました!
目を閉じると、この2年間の苦労が瞼の裏側にありありと浮かんできます・・・
手探り状態で始めた洞窟の撮影では、次々と様々な問題や課題が降りかかり、何度も挫折しそうになりながらも、その度に仲間たちと檄を飛ばし合い、知恵を振り絞りながら、何とかクリアしてきました。
私は女ですが、もともと体育会系ではないので、体力面や力仕事ではどうしても男性のそれに適わなくて、悔しい思いをしたり、自分が全く役にたっていないように思えて悲しくなることも多々ありました。
私だけではなくて、この撮影に係わってくれた人達はみんな、何かしら自分と戦わなくてはならない場面があったのではないかと思います。
でも、1人ではとっくに挫折して出来ないようなことも、仲間や一緒に戦ってくれる人達がいれば、何とかやっていけるものなのだと身をもって痛感しました。
一緒に頑張ってくれたみんなと、協力してくれた沢山の人達のおかげで、何とかDVDとして一つの作品に仕上げることができました。
DVDについての詳しいことはこちらのHPをご覧下さい。
http://www.vinz.jp/VINZ_WEB_shop_kawachiDVD.html以下は、多賀町の広報に掲載された、「河内の風穴のハイビジョン撮影」についての記事です。
多賀町の芹川上流に「河内の風穴」と呼ばれる鍾乳洞があります。夏の行楽シーズンには、渓流や、洞窟の涼を求めて訪れる観光客でにぎわう観光地としても知られています。観光洞として一般に公開されている部分は入り口から数百メートルの範囲のみですが、実はこの洞窟は全国でも上位を争うほどの大洞窟なのです。観光洞奥にもうけられた「立ち入り禁止」のゲートの先には、林立する鍾乳石や、青く透き通る地底湖、飛行機の格納庫にも匹敵する大きさのホールなど、地上では目にすることのできない驚くべき世界が広がっています。しかし、ここから先の通路は、迷路状に入り組み非常に危険なため、特別な技術と装備がなければ安全に行くことができません。そのため、中の様子は地元の方々にすらあまり知られてはきませんでした。
数年前、探検隊の一員として、初めて河内の風穴の奥地に案内された時の感動を今でも忘れることはありません。「この美しい地底の世界を、もっと多くの人達に見てもらうことはできないだろうか?」「河内の風穴の真の美しさ、壮大さをもっと多くの人達に伝えたい!」この想いがきっかけとなり、「河内の風穴ハイビジョン撮影プロジェクト」がスタートしました。
「では、いざ撮影に!」と意気込んではみたものの、洞窟という特殊な環境下での撮影は、一筋縄でいくものではありませんでした。洞窟の中には、人がようやく通り抜けられるような狭い通路もあれば、大きな岩がゴロゴロと転がっている大ホール、岩壁をよじ登って進まなければならない場所もあります。最奥に到達するまでの道のりは、通常でも3時間以上。そのような場所に、重い撮影機材を持ち込み、奥地へ運んでいくことは、非常に困難かつ、体力と根気のいるものでした。一回の撮影で携行した器材・道具の点数は、レスキューキットや非常食を含めると、400から500点にも上ります。精密な撮影機材を衝撃から守るため、また、洞内の環境を傷つけることのないよう、荷物の梱包、運搬は、常に細心の注意のもと行われました。
さらに、洞内の気温や湿度も大きな悩みの一つでした。河内の風穴の洞内の温度は、一年を通じて約10℃前後と言われています。また、湿度はほぼ100%と非常に高く、水滴や汗で濡れてしまった服はほとんど乾くことはありません。撮影中は、カメラ操作や照明操作がメインになり、スタンバイが完了すると撮影が終了するまでその場から動くことができません。気温10℃前後の中、全身濡れた状態で、数十分間じっとしていなければならないことを想像してみて下さい。重い荷物運びでかいた汗はたちまち冷え、もの凄い寒さが襲ってきます。撮影中、最も苦労したことのひとつが、この寒さとの戦いでした。
撮影のための洞内平均滞在時間は約12時間、調査を含む入洞回数は30回を超えました。苦労や困難は多々ありましたが、今回の撮影は私たちにとって、改めてこの洞窟の魅力を再確認する機会となりました。美しい鍾乳石に彩られた空間、巨大ホール、青く透き通る地底湖・・・この作品で「河内の風穴」の全てをお伝えできるとは思っていませんが、この洞窟の美しさ、また、このような素晴らしい世界が日本にもあるということを、少しでも知って頂くことができれば大変嬉しく思います。そして、このかけがえのない自然遺産が永遠に守られ、残されてゆくことを心から願ってやみません。
詳細についてはHPをご覧下さい。
http://www.vinz.jp/
